思考ノイズ↵

このブログは僕自身の『思考ノイズ』をさらけ出す無駄話ブログです。↵

高校生の恋愛ドラマって見たあとってすごく頭が悪くなったような気がするの

 

「高校生の恋愛ドラマって見たあとってすごく頭が悪くなったような気がするの」

 

僕の店によく来る歳は50代くらいの体型はふくよかでメガネをかけた愛想の良い婦人はふと僕との会話の途中でその言葉を口にした。

 

彼女は店に来るたびにコーヒーを頼み、新作や僕がきまぐれで作った試作品の焼菓子やメニューがあると決まって注文して必ずしっかりとした理由を述べておいしいと感想を言ってくれるとても良い御客さんだ。

 

口数は多い方で喋り始めるととことん喋るおしゃべりさんで本来の僕の性格なら一緒にいると疲れてしまうそんなタイプの人間なのだが、このご婦人は少し面白い感性を持っていて話してて感心するところが沢山あった。

 

新しい何かが会話にあると不思議と聞き手に回っているだけでも飽きが来ない。

相手が喋っているだけで十分なタイプならなおさら都合がよく、面白い小説や映画を不思議な観点から見た感想を自動音声で聞くような感覚で僕でもこのご婦人の話は聞くことができるのだ。

 

 

 

ある日ご婦人と映画の話をしていて恋愛物や純情物といった青春ジャンルの映画の話になった。

その際にふとご婦人が口にしたのが、

 

「高校生の恋愛ドラマって見たあとってすごく頭が悪くなったような気がするの」

だった。

 

会話を続けると

 

「なんでおもしろくないんですか?」


「ヒロインがありきたりなのよね。普通に可愛くて普通にスタイルも良くて、普通に性格もいいし、普通に高校生だし。」

 

「まぁ学生とか思春期の恋愛対象って基本的に外見が良くないと成立しないからですかね?それが多分オーソドックスだからでしょうか?」

 

「そうなのよね。オーソドックスな人生をかたどってそれを見る事も理解できるわ。映画は見たいものを見るために作ったり鑑賞したりするんですから。ただ、なんででしょうね。普通の高校生の恋愛をきれいな女優さんとかっこいい俳優さんを使って普通の恋愛をさせると何だが頭の中の語彙力が後退するのよね。」

 

「言わんとしてることはわかる気がします。高校生のボキャブラリーが高めなのは小説タイプの高校生ですもんね。」

 

そうなのよと相槌をうって彼女はこう続けた。

 

「いっそのこと黒柳徹子みたいな女子高生なら面白いのに。毒はいてさ。あの髪型でセーラー着てたらどんなに楽しい作品になるかわからないわ。」

 

それは確かに見てみたい気はする。

内容はともあれ映画として成立させれば面白い気はしなくもない。

まぁ恋愛物として見る場合はかなりエッジの効いたコアな作品として伝説となりそうだが。。。笑

 

 

 

 

 

という会話があったりしてこの方の感性には毎回驚かされる。

 

以前映画の好きなシーンの話をとある知り合いの映画監督と話したことがあるそうなのだが、ある映画(タイトルは忘れた)のシーンについて話をした際、その方はだれもが好きといいそうな名シーンではなく、主人公が闇深い街の雰囲気を感じ魚市場の腐った海産物を見てぎょっとするシーンを挙げたそうだ。

話を聞いていた映画監督はそれまであまり仲良くなかったらしいのだが(むしろ仲が悪かったらしい)それを期にすごくよくしてくれるようになったらしい。

 

 

人の感性とはその人の経験や持って生まれたセンスとかいろんなことが絡まって構築される人格の一部みたいなものだと思うけれど、決まって「ひどい経験をした」とか「つらい思いをした」みたいなネガティブな要素が絡まなくてもいいのだとこの方を見て思う次第でした。

もちろんその方のすべてを知っているわけではないけれど、ご結婚もされていて旦那さんに不満はあれど不幸ではないそんな人生を送っていると思うし、それこそ結構オーソドックスな人生を歩んでこられた印象がある方で、僕は本当にすごい方だなと思うんです。

 

人の中身は必ずしもネガティブな要素がなくったっていろんな観点で物を見ることもできるしいろんな立場でいろんなことを考えれる可能性があるんだなぁと。

 

その出会いから僕はなんだか小説を書きたくなってきました。

 

まだ経験もなにも人生を語るには25歳は早いのではないかと思っていましたが、『そんなことはないのかもしれない」そういう気持ちになったんですよね。

だから少しずつですが、今の僕が書きたいものや書きたい人々を整理して一つの作品としてモノにできるよう今からちょっとずつ努力していこうと思います。

 

 

このブログもその一環としてアウトプットや思考整理のベースとして動かしていきますので、これからもちょいちょい覗いてください。

(しばらくはカフェのお客さんの話を書いていきそうです。)

 

では今回はこの辺で。